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【2024/05/03 01:05 】 |
泡消し機
先日の台風19号が高知を通過する際には、暴風雨のため酔鯨を含む周辺地域が一時停電となり慌てました。酔鯨では熊本酵母を使用していますので、醪醗酵中にタンク上部に泡を形成します。この泡を放っておくとどんどん高くなり、タンクから溢れてしまいます。昔はこの泡をかき消す役目の蔵人がいて、タンクから泡が溢れないように、竹でできた泡たて器のようなもので泡を醪中へ落としていたそうです。今は泡消し機なる電動式の便利な機械があり、昼夜休み無く泡を落とし続けてくれます。先日の停電時には皆プチパニックに陥り、泡消し機のことに気づくまで時間がかかってしまい、もう少しのところでタンクから泡が溢れるところでした。酔鯨の酒質に泡の果たす役割はとても大きいので、今後も泡なし酵母に切替える予定もありません。なので、今回の停電で改めて、普段地味な泡消し機の存在の重要性を再認識しました。

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【2014/10/16 05:30 】 | 仕込み
梅酒仕込み
6月上旬、梅酒の仕込みを行いました。酔鯨では総量2.7tにもなる梅の実を、2年に分けて1本のタンクに仕込みます。1年目1.3t、2年目の今年は1.4tを仕込みました。
梅の実は地元高知市鏡地区特産の梅を100%使用します。この梅に酔鯨の日本酒をベースとして、焼酎、氷砂糖を加えて仕込みます。酔鯨ではここから3年間、熟成を行います。長期熟成を行うことで「梅のエキス」と「日本酒の酸味、旨味、砂糖の甘味」が絡み合いまろやかな梅酒に仕上がります。
 
まずは梅の実を水に浸して混ぜることで、表面の汚れを落とします。

次に水を替えて、2度目の洗いを行います。ここで梅の実のヘタ
を取り除き、痛んだ実を選別します。最後に水を切った後、タンク
へ投入します。

仕込後のタンク内部です。表面が梅の実で覆われています。
後日この梅の実を攪拌をしました。大量の梅の実を沈み
込ませるのに一苦労でした。

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【2014/07/28 08:30 】 | 仕込み
ようやく仕込終了
5月になりました。今年度の仕込みもようやく終わりました。全部で180本の仕込みとなりました。5月半ばの
最終仕込みの頃には、仕込庫は10度(酵母の適温)、原料処理場は20度(人間の適温)、麹室は30度(麹菌の適温)、と、同じ会社内に四季が混在したような状況での作業でした。通常なら「急激な気温の変化に、風邪など引かないよう体調管理に気をつけて・・・」のフレーズが必要なほどの温度変化ですが、蔵で働く人たちも最後まで緊張感をもって仕込作業をこなしてくれました。今年もご苦労様でした。

 今年度から杜氏が代わりました。先代の土居杜氏のもとで17年修行してきた松本が後を引き継ぎ、社員一丸となって頑張りました。土居氏が築き上げた酔鯨の味にさらに磨きをかけるよう努力してまいります。

 また、造りの初めには「乾杯リレー」でギネスから認定証をいただきました。多くの参加者に支えられてのギネス達成でした。その乾杯の酒に酔鯨の酒を使っていただき本当に感謝、感謝です。

 タイへの輸出も始まりました。食文化、生活習慣、気候など日本と違った環境の中でどれほど受入れていただけるか不安ではありましたが、現地での結婚式で採用されるなど、好評をいただきました。

 また酔鯨として今年初めて美山錦という酒米にもチャレンジしました。今まで慣れ親しんできた酒米とはかなり異なる特性があり、個性のある酒に仕上がったように思います。

 社内でのプロジェクトもいくつかスタートを切りました。新しいプロジェクトではありますが、あくまで酔鯨らしさあってのプロジェクトです。穏やかな吟醸香、そしてなんと言っても酸味、この二つにさらに磨きをかけ、食事をしながら楽しめる酒を追求してまいります。

 今年もいろんなことがありましたが、ひとえに御愛飲いただいております皆様のおかげです。ありがとうございます。

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【2014/05/22 13:29 】 | 仕込み
酵母の数
日本酒を造る際、1本のモロミ(タンク)の中にどれだけの数の酵母がいるのか考えてみました。

まず、モロミを搾る前の酵母の濃度について・・・・ 一般的に1mlあたり2億個程度といわれています。大きさにもよりますが水滴1個を0.1mlとすると、この一滴の中に酵母が2000万個いることになります。まだ皆さんの想像の範囲内だと思います。次にモロミ1本あたり何個かについて考えてみます。酔鯨の定番「吟麗」のもろみが一本あたり約3800ℓで、このうち液体(お酒)が3500ℓほどなので、2億個×3500×1000=700兆個の酵母がモロミの中にいることになります。成人一人当たりの細胞数が約60兆個といわれていますので、モロミ1本あたり約11人いて、20日間一生懸命酒を造っていると言い換えることもできます(かなり強引ですが)。

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【2014/03/01 15:00 】 | 仕込み
出品酒仕込み
先日、全国新酒鑑評会出品用の大吟醸酒の2本目の仕込みを終えました。毎年ほぼ同じ時期に仕込むので、仕込みの雰囲気(苦労)が、冷たい北風、弱々しい冬の日差しなどと同じく季節感の一部になっているようです。

出品酒の仕込みと言いましても基本は普段の仕込みと同じです。狙った温度で狙った成分変化になるように仕込みます。ただ違うのはその精度です。しいて例えると一昔前のブラウン管テレビの解像度と、今の液晶ハイビジョンの解像度の違いのようなものでしょうか?その精度を高いところへ持っていくのに毎年苦労をします。仕込温度の目標を10.0℃に設定したとします。ここでぴったり10.0℃に仕込むということになるとなかなか難しいということになるのです。言うは易し、行うは難しの世界です。精度をだすために、まず温度計の校正を行うところからはじめなければならないといっても言い過ぎではないように思います。精度の悪い温度計では温度を合わせる意味がなくなってしまいますから。また、以前蔵元だよりの中でも触れたことですが、液体と固体を混ぜ合わせて温度を一定にするという工程は大変難しいものがあります。液体同士を混ぜる場合はある程度の予測ができ、混ぜるのもたやすいのですが?ちなみに2本目の仕込温度もばっちり目標どおり決めることができました。



もうじき昨年末に仕込んだ出品酒1本目の搾りを行います。どんな酒に仕上がっているのか楽しみ半分、不安半分です。出品酒の今後の様子は随時蔵日記の中で御報告します。



写真は仕込み作業風景です。

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【2014/01/27 06:27 】 | 仕込み
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