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平成26年も残すところ後わずかとなりました。おかげ様で本年も一年間無事酒造業に取り組むことができました。
夏場に台風や大雨が重なり酒米の出来が心配されましたが、ほぼ予定通りの数量が入荷ができそうです。また、今年は売上が想定以上の伸びとなりました。その影響で、品切れ等となった商品がいくつかあり、皆様方に多大なるご迷惑をおかけいたしました事、深くお詫び申し上げます。現在、可能な限り、増産をしております。本年度の新酒が出荷可能となるまで今しばらくお待ちください。これもひとえに皆様方の御愛顧の賜物と深く感謝いたしております。 尚、弊社は12月30日より翌年1月4日まで休業いたします。年初の営業開始は1月5日からとなります。 ただし、醸造は完全に休むことができません。酵母には年末年始は関係ないので、温度管理等の業務があります。蔵で働く従業員は休日をやりくりしながら交代で勤務します。
来年もより一層のご愛顧を賜りますよう従業員一同お願い申し上げます。
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先日、今期の酒造りが始まり、安全醸造を祈念して、「甑起し」の宴会を行いました。その際、乾杯の酒は言うまでもなく、宴会に使った酒はオール酔鯨でした。御存知のとおり酔鯨は使用米の品種ごとに商品を変えており、酒米の個性を大事にした商品構成となっています。なので宴会に使った酒はオール酔鯨とはいえ、山田錦の純米大吟醸であったり、松山三井の純米吟醸だったりと様々でした。会場のあちらこちらで来賓の方々や酔鯨の社員が杯を酌み交わす姿が見られました。そんな中、私も酔鯨の酒で高知流に献杯し、皆さんと酒を楽しみました。そこで改めて感じたのは、酒が喉を通過した後に感じる味や香のすばらしさでした。口の中だけで唎酒する時と感じ方がまるで違うということを再認識しました。製造管理や品質チェックなどの際には、成分値の確認や唎酒を行いますが、やはりお酒は呑んで確かめるのが一番です。アルコール度数や甘辛を示す値がほぼ同じでも、呑んでみると結構酒質が異なることがあります。人間の感覚というのは素晴らしいものがあります。時には皆さんも自分自身の味覚と嗅覚を信じて好きな日本酒をセレクトされるといいかもしれません。
お酒を造ってくれる酵母の培養液です。この液の中には酵母が2,000億個くらいいます。これが醪の中でさらに5,000倍くらいに増えます。 |
秋はどの地も豊富な食材に恵まれ、お祭りやイベントが盛んな季節かと思います。高知の秋といえば海のものでは戻り鰹や新子(めじかの幼魚)が有名です。特に新子は鮮度が大切で、この時期しか食べられないまさに旬の味覚です。獲ったその日だけ楽しめる新子のお刺身はモチモチとした食感が絶品です。新子の漁が盛んな高知市のお隣、須崎市ではこの新子を食するお祭り「新子祭り」が開催され、毎年多くのお客さんで賑わいます。
弊蔵でもかねてよりこんな秋の味覚に合わせてお酒をPRする機会があればと考えておりました。そこで本年は蔵がある長浜の隣地区、御畳瀬(みませ)地区で開催されます「みませ祭り」に参加させて頂きました。御畳瀬地区は古くから漁業が盛んな地域で、現在も漁港で上がった魚で作る干物の産地として知られています。特に秋から冬にかけて獲れる沖ウルメ(ニギス)やメヒカリで作る干物は有名です。少し肌寒くなった頃、御畳瀬の通りを歩くとどの家の前にも干物が干され、潮の香りと美味しい干物の香りにつつまれます。沖ウルメはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、上品な脂と引き締まった旨味、内臓のちょっとした苦味が特徴です。旨味が強いのでお酒の肴には最高の一品です。
「みませ祭り」はこの沖ウルメが主役です。沖ウルメの食べ方は干物が一般的ですが、御畳瀬地区には「ぼた焼き」と呼ぶ、この地域独特の食べ方があります。これは生の沖ウルメを鉄板で焼き、少し甘いしょうゆをかけて仕上げます。魚の脂が全体にまわり、上品な焼き魚といった感じです。もちろんお酒の肴には最高です。今回はこのぼた焼きに合わせて是非地元の酔鯨もということで会場内で販売をさせて頂きました。魚に合う酔鯨をしっかりとお客さんに体感して頂きました。
お酒は地域の食文化に密接に影響されると言われますが、この「ぼた焼き」に合わせて酔鯨を飲むと本当に納得です。お酒を造る中で、時として方向性に迷うことはありますが、改めて酔鯨の原点を感じる機会となりました。参加する前は酔鯨のPRをと考えていましたが、逆に酔鯨の強みを教えてもらう良い機会となりました。
これから冬にかけて沖ウルメもメヒカリもさらに脂がのってきます。皆様も、もし店頭で見掛けましたら是非酔鯨の一杯と合わせて楽しんでみてください。
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土佐路もようやく秋が深まってきました。先日旅行した四国カルストなど、県内でも標高の高いところでは、既に紅葉の時期を過ぎて葉が落ち始めていました。
昨年より1週間ほど早く新酒の搾り作業が始まりました。毎年のことですが洗米に始まり、麹、酒母、醪と工程が順調に進んでも、最初の一本が搾られるまではなんとなく落ち着かないものです。搾り機から出てきた酒を口にして、搾りたて特有の炭酸ガスをピリピリと舌の上で感じ、鼻から爽やかな新酒の香りが抜けると、ほっとするとと同時に、これから最盛期を迎える酒造りにも気合が入ります。搾りが始まると、造りが終わるまで蔵の中には新酒の香りが充満します。日本酒好きの方には我慢できない香りではないでしょうか。この新酒の香り以外にも、蔵の中には酒造りの各工程のなかで生まれてくる様々な香りあります。蒸しあがった米の香り、麹が出来上がっていくまでの香り、もちろん酒母や、醪の醗酵過程で変化していく香り、搾った酒を火入(熱殺菌)する時の香りなどなどです。これらの香を一つ一つ皆様に直接伝えることができず残念ですが、私はこの様々な香の変化が酒造りの醍醐味の一つだと思います。 今年はまず「吟麗」からです。おかげ様で供給が間に合いそうにも無いくらい売れ行きが好調で、仕込む順番を繰り上げて対応させていただきました。しかし搾った後、社内基準で決められた最適の熟成期間をとるため、皆様へお届けできるのは数ヵ月後となります。 今年は昨年の美山錦に続き、北海道産の「吟風」という新しい酒米にもチャレンジします。勿論酒米の最高峰山田錦で仕込む純米大吟醸をはじめ従来からの商品も、酔鯨らしさを大切に守りながら丁寧につくりこんでいきます。今年の酔鯨も乞うご期待です。 |
今期の造りに新しい酒造好適米が登場します。北海道産の酒造好適米「吟風」です。八反錦を親にもつ米で、平成12年度に品種登録され、主に北海道の酒蔵で使用されてきました。どんなお酒に仕上がるかは実際醸造してみないと分からないのですが、他社製品を唎酒してみた感じからすると、スッキリとした味わいの吟醸らしいお酒になるのではと期待しています。夏に生産地である北海道新十津川にまで出向き現地の圃場視察を行い、酒米生産組合の方々とお話をして参りました。高知では想像できない広大な田んぼに驚くとともに、生産者の皆様方の真摯な取組みを拝見させていただきました。そこで頂いた酒米に関するデータ等を見る限り、品質、収量ともに安定しており、これからの酔鯨の主力製品がこの米から生まれてくるのではと、期待させてくれました。計画では年が明けて2月に酛たてを行い、搾りは4月上旬になる見込みです。そこから熟成などの工程を経て商品として皆様のお手元へお届けできるのが、早くても6月くらいになるのではと考えております。現在、酒質の設計、パッケージデザイン等に取り組んでいるところです。乞うご期待。
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