|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
ご承知のとおり、お酒造りにおいて微生物である麹菌と酵母の果たす役割はとても大きいです。前号では、このうち特に「麹菌」についてその果たす役割や当社の造り方をご紹介させて頂きました。
酵母はアルコールを生成する、まさにお酒造りには無くてはならない存在です。この酵母を仕込みタンクに入れる前、大量に増殖させる作業が「酒母造り」です。酒母造りは、モロミのタンクと同様に、酒母タンクに蒸し米、麹を仕込み、この中で酵母を増やしていきます。当社の平均的な酒母造りでは、酵母は約30兆個~40兆個まで増えます。 今年も新酒の季節となりました。この時期、当社の近く御畳瀬という地域では、旬のメヒカリの干物づくりがピークを迎えます。15cm程の小振りな魚ですが、軽く火にあぶると、旨味のある、プリプリの白身が弾けとっても美味です。もちろん、これには酔鯨のお酒が良く合います。 前回は麹造り、今回は酒母造りについてご紹介をしてきました。次回はいよいよ仕込みについてのお話の予定です。 PR |
|
夏の暑さも終盤となり、過ごしやすい季節になって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回の蔵元便りは、お休みしておりましたお酒造りの話題に戻り、蒸しの工程から少しご説明させて頂きます。
蒸しの作業は毎朝5時半から準備が始まります。まずは洗米し、専用容器に保管した米を吊り上げ、蒸し上げを行なう甑に張り込みます。甑にお米を張り込んだら、盛り上げたお米の表面を平らにします。広げることにより、送り込んだ蒸気は甑の中で均等に行きわたり、ムラなく全体が蒸し上がります。 蒸しはボイラーの熱を利用して行いますが、ボイラーからの直接の蒸気を使用すると蒸気量が多すぎること、また鉄分が混入する恐れがあるため、実際にはボイラーの熱を利用して別の水を再沸騰させ、綺麗な蒸気を作り出してこれを甑に送り込みます。(この装置を整蒸器と言います。)お米が蒸しあがると実際に食べながら米の中心まで蒸せているか、芯はないかを確認していきます。また、手でつぶしてみて弾力があるかも確認します。蒸したお米が硬いと仕込んだ際に、お米が溶け辛く、また反対に軟らかいと溶けすぎる恐れがあります。この蒸し具合は、蒸す前の水分の調整が大きく影響する為、日々この確認をしながら吸水率の調整(実際には浸漬時間の調整)に生かしていきます。
甑から出されたお米は、放冷機を通し、目標温度まで冷ませます。お米から立ち上る蒸気とともに、蔵の中は蒸しあがったお米の良い香りが広がります。この後、お米は麹、酒母、もろみとそれぞれの用途に分けられます。 |
|
先日の報道にて、官民連携で清酒・焼酎の魅力と認知度を高めていくことが紹介されていました。「ENJOY JAPANESE SAKE」プロジェクトと称したこのプロジェクトの目的は、清酒、焼酎を國酒として広めていくことだそうです。このような動きを見ますと私たち蔵元も改めてお酒本来の魅力を高め、広めていく責任があると感じます。 さて、今回は清酒のお話しは離れて、もう一つの國酒「焼酎」のお話しです。当社でも昔から米焼酎を造ってきました。高知の酒造りは清酒が中心ですが、一部の蔵元では清酒造りの傍ら焼酎造りに取り組んでいます。蔵元によっては原料に栗を使用するなど特色のある焼酎造りを行なっていますが、生産量が多いのはやはり米焼酎です。当社も原料はお米だけですが、仕込み水や貯蔵期間を変えることで3種類の商品に仕上げています。 焼酎造り
清酒造りがひと段落した今からが焼酎造りの季節です。6月初旬頃から約2ヶ月間、この期間で仕込みから蒸留まで行います。造りの仕事のスタートは蔵の掃除からです。毎年、焼酎の蔵を使用するのはこの期間だけなのでタンクや機器のチェックを入念に行ないます。準備に約3週間、ようやく仕込みが始まります。 その他の商品では、仕込み水に海洋深層水を使用したものもあります。米焼酎は違いを出すのが難しいのですが、この商品では水を変えることで味わいに特徴を出しています。 海の底近く(深層)を流れる海水のことを海洋深層水と言います。ここ高知県の室戸沖では、北太平洋を巡り日本近海に運ばれてきた海洋深層水の一部が大陸棚に当たり浅場まで湧き上がってきます。これを海中200メートルから汲み上げます。汲み上げられた深層水には当然、塩分が含まれますので脱塩処理をしてから使用します。県内では、当社のような焼酎造りはもちろん、ミネラルウォーターや食品の原料水として広く利用されています。
海洋深層水は地球規模で流れる海流の為、長い年月をかけて循環をします(一説には数百年とも言われます)。この循環の間に海中のミネラル分などが含まれます。焼酎に使用しますと、この豊かなミネラル分が味に「ふくよかさ」や「まろやかさ」をもたらします。
白麹:黒麹菌の菌株の中から発見された突然変異株です。酵素力が強く、現在の焼酎造りでは最も使用されている麹菌です。 減圧蒸留:常圧蒸留が大気圧で蒸留するのに対し、減圧蒸留は大気圧以下の環境で沸点を低下させて蒸留する方法です。常圧蒸留では沸点が高いため、蒸留の過程でアルコールとともに様々な成分が揮発し、これらの成分が本格焼酎ならではの風味を生み出します。しかし、原料によってはこれらが癖のある香りや味わいに繋がる場合があります。一方、減圧蒸留では沸点を下げて蒸留をするので、取り出される成分は限られます。それ故、味わいがクリアで、癖の少ない、スッキリとした焼酎に仕上がります。 |
|
今回の蔵元便りは、蔵の話題は一旦お休みにして土佐の酒文化のお話しです。高知はご存知のとおりお酒文化が盛んで、飲酒量の減少が叫ばれる近年でも、一人当たり飲酒量(注1)は全国第3位を誇っています。1位、2位は料飲店が多い東京、大阪ですので(区域外からのお客さんが多い)、実質的には高知が全国1位です。
さて、そんなお酒好きが多い高知では、人が集まれば必ず宴席が始まります。宴席のことを高知では「おきゃく」と呼び、郷土料理の「皿鉢料理」と合わせてお酒を楽しみます。老若男女を問わず注いでは飲み、注がれては飲むという返杯を繰り返し、豪快にお酒を飲むというのが土佐の宴席です。近年は飲む量も減ってきてはいますが、やっぱり最後まで飲みきる人が多いのは高知の土地柄です。 古来からの酒飲み文化 こんな高知の酒飲み文化は伝統と言えるのかもしれません。土佐の国産みの神話には「土佐国建依別(とさのくにたけよりわけ)」という支配神が登場しますが、これは「勇猛な男」を表します。高知では今でも気骨がある男性のことを、親しみを込めて「いごっそう」と呼びますが、こんな男にはやっぱりお酒が似合います。 また、女性がお酒を良く飲むの も高知の伝統です。一つのお皿に様々なお料理を盛り付ける皿鉢料理が発展したのも、女性がお料理の準備に追われないようにという配慮がありました。 酒質は、こんな宴席のスタイルに合わせて淡麗辛口が好まれます。弊社もお料理との相性を大事にし、あくまで食中酒としての清酒を大事にしてきました。 お座敷遊び 土佐の宴席では余興として、様々なお座敷遊びがあります。一つは「箸拳」で、これは二人が一対一で向かい合って座り、双方がお互いに相手に見えないように箸を持ち、その数を当て合うというものです。ルールは簡単ですが、いろいろな駆け引きがあり奥が深い遊びです。もちろん、負けた場合はその都度、盃に一杯のお酒を飲まないといけません。 毎年10月1日の「日本酒の日」には土佐箸拳全日本選手権大会と称して高知で全国大会が開催されます。お座敷遊びと言いながらも、この時は皆さん真剣に勝負に挑みます。もちろんお酒を片手に・・・。 この「箸拳」以外にも「菊の花」や「べく杯」など、様々なお座敷遊びがあります。 土佐新酒祭り 高知ではお酒にまつわる多くのイベントがありますが、その一つ「土佐新酒の会」は全蔵元(18蔵)が参加するお酒の会です。毎年、各蔵の造りが終わり、新酒が出揃う4月の中ごろに市内のホテルで開催します。今年は4月20日に行ないました。会場は約500名のお客さんが集まり、大盛況のうちに会は進んでいきます。 宴会が始まりますと、皆さんお気に入りの蔵元のブースに向かい、今年の新酒を楽しみます。各蔵元のブースには自慢のお酒が並び、また一部の蔵元ブースでは、出回ることが少ない「蔵元の隠し酒」も揃っています。 是非、来年は皆さんも遊びに来てください。高知のお酒とお料理ご用意してお待ちしております。 |

