前回はお米についてお話をしましたが、今回のお話は、実際の酒造り「米洗い」と「米に水を吸わせる工程」(洗米と浸漬の工程)についてです。
洗米の目的は、米粒表面に付着している米糠を取り除き、蒸した米の粘り気を無くすことにあります。洗米をしっかり行なうことで、お米がさばけ易くなり、この後の工程が良好に進みます。
浸漬の目的は、蒸しに必要な水分を米粒に与えることにあります。一方、水分を与えすぎると蒸米が軟らかくなりすぎてしまいます。そこで、当社では大半の仕込みを限定吸水(短時間浸漬法)で行い、水分調整を正確に行なっております。洗米や浸漬の工程は、以前はストップウォッチを片手に手作業で行なっておりましたが、H16BYより機械式の洗米浸漬装置を導入しました。
洗米を自動化したことにより、手洗い以上に安定した米洗いが可能になりました。浸漬についても時間の調整を秒単位で管理できるようになり、目標とする水分の調整がより安定してできるようになりました。水分の調整は、浸漬時間で操作しますが、ここで用いる水の水温が異なると浸漬の時間が同じでも水の吸い方が変わってきます。そのため、当社では洗米、浸漬に用いる水の水温は12℃の一定としています。
さらに前回のお米の話でも挙げましたように、同じ品種の酒米であっても入荷するたび、水の吸い方は変わってきます。その為、入荷の度にお米の調査(精米品質、白米の吸水性)を行い、浸漬時間を秒単位で調整していきます。
今回は、洗米、浸漬の工程についてご紹介しました。次回以降、この後の工程、蒸しの工程をご紹介していく予定です。
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