× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
謹んで、新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
本年も社員一同、一層の努力を重ねることで皆様のご期待に応える酒造りを目指して参りますので変わらぬご厚誼、ご厚情を賜りますようお願い申し上げます。また、本年が皆様にとりまして更なる飛躍の年になること祈念しております。
昨年は、ここ近年の日本酒への高い注目にも支えられ、弊社の出荷量もお陰さまで増加致しました。これに伴い、一部商品につきましては出荷の制限をお願いするなど、お得意先様には大変ご迷惑お掛け致しました。本年度はこれにお応えする為、より一層の増産体制にて仕込みに取り組んでおります。仕込みの開始も例年より少し早めました。造りの期間の折り返し地点にはまだまだ届いておりませんが、蔵のスタッフも一本一本丁寧に仕込みを続けています。
このように日本酒への注目が高い時こそ日本酒の美味しさ、あるいは酔鯨の魅力を伝えていく為の活動が必要であると強く感じます。清酒全体を見ましても地酒を中心とした吟醸酒の出荷は伸びており、また今年も注目度は高まっていくものと思います。お酒のイベントなど消費者と交流する機会で強く感じますのは、特に今までは日本酒とは縁が遠かった若い方にも広く興味を持ってもらえているということです。こんな様子を見ますと自分たちの力不足を感じるとともに、まだまだPRをしていく必要があることを感じます。本年も色々なことに取り組んでいく予定です。もし皆様もこんなイベントがある、こんなことに合わせてPRしたら面白いのではないかなど御座いましたら是非教えてください。出来る限り参加させて頂きたいと思います。どうぞ本年も宜しくお願い申し上げます。
PR |
今回はお酒造りの工程のお話しからは少し離れて、「酔鯨の歴史と土居杜氏」と題しまして弊社の誕生から今日までを、またその発展を支えてきました土居杜氏についてご紹介したいと思います。弊社の誕生は昭和44年、前身の石野酒造を引き継ぎ高知市長浜の地に誕生しました。誕生からわずか44年、長い歴史を持つ蔵元が多いなかではまだまだ新米の酒蔵です。 さて、酔鯨酒造へ生まれ変わって以降、親会社の旭食品の販売力にも助けられ、販路を高知県内さらには四国内へと広げていきました。桶売り中心から「酔鯨」ブランドの売り込みへ頑張っていましたが、昭和50年代に入ると清酒の消費量は頭打ちとなり、普通酒を中心とした販売では限界が見えてきました。弊社も将来が見えない厳しい時代でした。そんな中、地方蔵の吟醸酒への注目が集まり始め、弊社も普通酒を中心とした造りから吟醸酒造りへと切り替えていきました。この時大きく助けて頂いたのが東京の酒販店さんや地酒卸しさんでした。名も無き地方の酒蔵を東京の市場に引き出して頂いたことが今も酔鯨ブランドの基礎となっています。
土居杜氏はちょうどその頃、昭和60年より杜氏として酔鯨の造りに関わりました。以来、今日まで27年間杜氏として頑張っています。土居杜氏の出身地は広島杜氏の発祥の地でもある広島県安芸津町です。18歳から酒造りに入り、夏は農家をしながら、冬は酒造りの修行と経験を積んできました。46歳で初めて杜氏となり弊蔵に入りました。蔵に入った当初は、勝手が分からない新しい環境で、当時ようやく広がり始めた吟醸造りを行なうという難題に取り組みます。困難な状況で、全く新しい試みに取り組んだ杜氏の心意気には頭が下がる思いです。
基本は異なる酒質であっても、杜氏の技術と高知のお酒が出会うことで「酔鯨」の吟醸酒が生まれました。広島のお酒の特徴である「しっかりとした旨み」と高知のお酒の特徴である「キレの良い辛口」。このふたつを上手く生かして「旨みもありながら、キレの良いあと味」という酔鯨の吟醸酒の基本が出来上がりました。 さて、杜氏のお話に戻りまして。杜氏も今年で73歳となり、一年一年が勝負の年となってきました。蔵では数年前より、酔鯨の造りを伝承していく為に、杜氏の技術を学び、発展させてきました。杜氏と同じことをするのではなく、杜氏が作ってきた味を基本とし、それをさらに磨いていくことが目標です。すぐに出来ることではないですが、しっかりと技術力を高めてきました。今までの経験をどのようにお酒造りにいかしていくのか、これからも酔鯨の挑戦は続きます。 次回はお酒造りの工程に戻りまして「もろみ管理」のお話を予定しています。 |
ご承知のとおり、お酒造りにおいて微生物である麹菌と酵母の果たす役割はとても大きいです。前号では、このうち特に「麹菌」についてその果たす役割や当社の造り方をご紹介させて頂きました。
酵母はアルコールを生成する、まさにお酒造りには無くてはならない存在です。この酵母を仕込みタンクに入れる前、大量に増殖させる作業が「酒母造り」です。酒母造りは、モロミのタンクと同様に、酒母タンクに蒸し米、麹を仕込み、この中で酵母を増やしていきます。当社の平均的な酒母造りでは、酵母は約30兆個~40兆個まで増えます。 今年も新酒の季節となりました。この時期、当社の近く御畳瀬という地域では、旬のメヒカリの干物づくりがピークを迎えます。15cm程の小振りな魚ですが、軽く火にあぶると、旨味のある、プリプリの白身が弾けとっても美味です。もちろん、これには酔鯨のお酒が良く合います。 前回は麹造り、今回は酒母造りについてご紹介をしてきました。次回はいよいよ仕込みについてのお話の予定です。 |